深海魚の代名詞アンコウは浅い海にもやってくる
深海魚といえばアンコウ。
大きな口にズラリと並ぶ歯を持つアンコウは、深海魚が持つイメージを代表しています。
遠州灘の地魚が揚がる舞阪漁港では深海に網を曳く底曳き漁でも水揚げされますが、中深海に網を曳くタイ網漁でも水揚げされます。
アンコウは産卵期になると浅い海域にもやってくることから、中深海に棲む魚とされています。
それでも舞阪漁港にアンコウが揚がるのは深海漁があるから。
タカアシガニやアカムツなどと共に、近隣では手に入らない新鮮なアンコウが手に入ります。
アンコウの七つ道具
アンコウといえば捨てるところがない魚としても有名です。
身の各部位が七つ道具と呼ばれるようにそれぞれの食感で楽しめます。
七つ道具とは肝、皮、とも(ヒレとヒレについた筋肉)、水袋(胃)、ぬの(卵巣)、エラ、柳・大身・台身(身)など余すことなく、それぞれを工夫して料理が楽しめます。
アンコウは深海の砂底に潜み、近づく魚をひと呑みしています。
暗い深海ではエサになる魚も貴重なことから逃がさぬようズラリと歯を並べている、これが深海魚の代表であるアンコウのイメージです。
冬に楽しみたいアンコウ
アンコウが主に冬に楽しむ魚であるのは鍋で楽しめることから。
味噌仕立て・醤油仕立て、最近ではチゲや煮付けに唐揚げなど体を暖めてくれる料理が楽しめます。
そしてなんと言ってもお楽しみなのが、あんきも。
深海の魚独特のうまい脂を持つことから、なめらかな食感に甘みを感ずるのはご存知のとおりです。
底曳き漁を行うのは静岡県西部では舞阪漁港のみ。
地アンコウをお楽しみください。